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式    辞

 本日ここに、福山商工会議所創立80周年記念式典を挙行するにあたり、多数のご来賓のご臨席を頂き、かくも盛大に開催する機会を得ましたことに対し、衷心より厚くお礼申し上げます。
 顧みますと、明治32年、当時の先輩諸氏が相集い、地域商工業の進歩発展を目的とし、福山商工会が設立されたのが当商工会議所の源であります。その後、昭和4年8月30日、当地域の商工業者の長年にわたる念願が叶い、商工大臣より認可を受けて福山商工会議所の設立をみたのでありまして、本年で創立80周年、福山商工会から数えますと110周年を迎えたところであります。
 商工会議所設立当時の会員数は870事業所で、時代は、現在の経済状況と非常に酷似した、昭和金融恐慌による慢性的な不況が続いている時期であり、業界結集による不況克服と、新たな産業発展への礎を築くため、期待と使命を担って誕生したものであります。
 いまここに、その80年にわたる当商工会議所の道のりの一端を振り返ってみますと、戦後、幾多の戦災都市に先駆けて、いち早く戦災復興都市造りを成し遂げたことが、まず挙げられます。それには、戦前から数多くの有力な地場企業が、柔軟な発想と高い先見性をもとに、積極的な経営で地域産業をリードし、一丸となって業界発展に尽力されてきていたこと、また、それを支える優秀な人材が揃っていたことなどが背景として浮かんでまいります。
 さらに、NKK福山製鉄所の誘致、昭和39年の備後工業整備特別地域の指定などにより、福山市の発展、産業の躍進は目覚しいものになり、今日の備後経済圏の中核としての地位を確立するに至ったのであります。また、幾多の意見活動や事業の成果として、新幹線停車駅及び鉄道二重高架の完成、山陽自動車道などの幹線道路建設、新広島空港の開港、福山国際コンテナターミナルの竣工など、インフラの整備も一段と進んできており、陸・海・空の拠点としての役割も一層増しております。最近では、県立ふくやま産業交流館、福山すこやかセンターやまなびの館ローズコムの開館、福山市東部・西部市民センターの開所など、地域のポテンシャルを高める施設の整備も進み、多くの方々に活用されており同慶の至りであります。
 一方、昭和41年、福山市と松永市の合併に伴って松永商工会議所と合併を果たした福山商工会議所は、経済の発展と商工会議所業務の拡大のため、昭和51年現会議所ビルの竣工、平成元年には松永支所会館を新築、平成12年には福山地域中小企業支援センターを開設、平成14年にはびんご産業市場を開催、平成17年には会員向け融資制度提携ローンの取扱開始、平成20年には第1回福山知っとる検定を実施するなど、会員サービスの向上と地域振興に努めているところであります。
 さらに、当地域産業の基盤をなすものづくり産業の振興や国際化に対応するため、平成14年より5ヵ年にわたり地域振興活性化事業に取り組み、琴・下駄・畳表・伸鉄・鋳物などの地場産業の再生を推進するとともに、平成9年にはハワイ州マウイ日本人商工会議所と友好親善提携を行い、平成14年には中国ビジネス研究会を設立し、地域産業の国際化への対応の支援を行なってまいりました。中心市街地活性化についても、全国に先駆けて独自の空店舗対策事業を実施するとともに、商店街の空店舗を活用して直営ショップ「ふくふく」や「花さか倶楽部」の運営を行なっているところであります。
 ご承知のとおり商工会議所は、商工業の振興と社会一般の発展に寄与することを目的とした地域総合経済団体であります。会員各位の希望や意見をもとに商工業、特に中小企業の繁栄施策の実施や都市環境の整備促進に役立つ建議・要望等を通じて、地域発展の中核的団体として力を尽くしてきております。
 そうした中、創立80周年を記念して、先般、青年経営者80名のご参加のもと福山商工会議所青年部を創設いたしました。行動力と時代感覚を反映した英知を集め、地域発展の推進役としての使命と役割を十分に認識し、女性会ともども当面する諸課題解決に力をつくしていただきたいと期待しております。
 偉大な先人の足跡を偲びつつ、関係各位の格別のご支援とご協力を仰ぎ、現下の厳しい経済情勢のもと、商工会議所に課せられた責務の重大さに思いを新たにし、「信頼される商工会議所」「無くてはならない商工会議所」を目指して、今後の商工会議所活動を展開する所存であります。
 終わりに、関係各位のご健勝とご繁栄を祈念いたしまして、私のご挨拶といたします。

                                   平成21年11月10日

                                  福山商工会議所
                                   会頭 林   克 士

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