「少女たちの羅針盤」映画製作の現場から【後編】>第8話

【後 編】
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 第1回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」で優秀賞を受賞した水生大海さんの小説「少女たちの羅針盤」の映画化が決まり、昨年(2010年)6月末から7月末にかけて、福山市内全域でロケが敢行されました。
 2011年5月14日、映画「少女たちの羅針盤」が、いよいよ全国公開になります。
 広島県内での先行公開に合わせて映画制作に携わった経験を書き綴り、映画公開前日の4月22日で一旦終了したお話ですが、その後各方面から「続けて欲しい」との声を多く頂戴いたしました。
 インターネット上に公開する映画制作物語を熱心に読んでくださっていた方がいらっしゃることを知って、ありがたく思います。 「皆様のご期待に応えて」と言うとおこがましいですが、「好評いただいているのなら」と思い、後編として書き綴ることにいたしました。
 後編では、私が担当した美術スタッフとしてのお話だけでなく、地元支援スタッフチームが結成される以前に関わったことや、制作の現場で起こったことを中心に、当時を思い出しながら。。。
文責:片岡 達樹)
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■第8話■
観るほどに味わい深く
update:2011.05.27
 この作品を観た福山市民の声が、私の耳に届いてきました。

 やはり思ったとおりです。「あっ、福山城だ! 福山八幡宮だ! ふくやま美術館だ!と、背景の風景(場所)が気になって、映画に集中できない」とのこと。「また場所が判らないシーンでは、一体ここは何処なのだろう???と考えていると、物語が進んでしまって!」地元の人は、どうしてもそうなるのでしょう。

 初回は、私も同じでした。しかも、私の場合は美術スタッフでロケに参加していましたので、ロケの場所だけでなく、「自分たちが調達した道具が出ているのかどうか」や「準備段階の行動」、「ロケ現場周辺で起こった出来事」が蘇ってきて、物語どころではありませんでした。

 そして、2度目。うーーーーーん!やはり、、、初回と同じで、様々な場面が蘇ってきます。

 さらに、3回目。ところどころでロケ当時のことは蘇ってきますが、ここまで来ると邪念はほとんど消え、物語に集中できますし、過去2回では見えてこなかった少女たちの周囲にいる大人たちの「無責任な優しさ」や「身勝手さ」、そして、そこから生まれる「少女たちの悩み」や「心の葛藤」も見えてきました。4回・5回と観る回数が増えるほど、この映画に秘められた深みが伝わってくるような気がします。

 皆様、確かに私たちの郷土・福山が舞台の映画ですから、見慣れた光景に意識を持っていかれがちですが、次に観たとき、この映画が持っている奥深さや、映画の楽しさが解るはず。

 だから、1回だけでなく、2度・3度と劇場へ足を運んで、この映画を楽しんでください。



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次回 ■第9話■ もし、次があれば絶対に
5月30日月曜日UP予定
【少女たちの羅針盤】
 「羅針盤」という名で注目を集め始めた女子高校生4人の演劇ユニットで起きた事件。事件の真相が4年後、明らかになる。

【関連サイト】

 ・少女たちの羅針盤公式サイト

 ・少女たちの羅針盤公式ブログ

 ・ばらのまち福山ミステリー文学新人賞
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