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平成22年6月13日(日)〜20日(日)参加者9名で、ロシアのイルクーツク・ハバロフスクを訪問した。

 昨年9月、木材・伝統産業部会と国際交流委員会が合同で、対ロシア貿易の拠点としてウラジオストクの経済事情を視察し、情報収集したが、さらにウラジオストクからヨーロッパへ繋がるエリアの情報を収集するため、イルクーツク・ハバロフスクの経済事情を視察した。
まず、ハバロフスク(※1)を市内観光後、深夜4時間かけてイルクーツクへ移動した。

 イルクーツク(※2)では、アムール地方の大豆(10万トン)から油を精製しているイルクーツク油・脂肪コンビナートや、イルクーツク日本情報センター、建築材料のスーパーを視察した。

 イルクーツク日本情報センターは、2002年に在ハバロフスク日本国総領事館とイルクーツク州の政府の発議で東シベリア商工会議所内に開設されたセンターで、地元の人々に日本の紹介、日本人観光客やビジネスマンにイルクーツクの市内観光や経済の情報を提供している。

 イルクーツクには昨年6月に韓国総領事館が開設された。いずれ韓国からの直行便が就航されるだろうが、“近くて遠い国”といわれるロシア、極東・シベリアが今後ますます身近になることが期待される。

 また、アンガラ・アカマツの材木を売るバイヤーとの商談会も行い、交流を深めた。イルクーツク、バイカル湖など観光後、再度ハバロフスクへ。

 ハバロフスクではSirca社木材工場の視察、また、ハバロフスク日本センターにて、住友林業(株)ハバロフスク駐在所の安永所長と懇談した。

 住友林業(株)ハバロフスク駐在所は、ロシアからの原木の買付と製材品の買付が主な業務で、シベリア地区(イルクーツク)からの輸入が多く占めるが、5年前と比べて輸入量が60万立方メートルから10万立方メートルに減少したとのことだった。

 また、ハバロフスク日本センターの黒坂所長とも懇談した。

 ハバロフスク日本センターは、現地において若手ビジネスマンの育成や日本語講座等を実施するほか、最近ではビジネス・マッチングにも力をいれている。

 所長は、「現在、日本の商品はすべてモスクワを経由しており、貿易するには着いてからが問題である。ロシア側と信頼できるパートナー、もしくは強力なコネクションを持つことが重要である」と話された。

 ハバロフスク、イルクーツクともに日本車が非常に多く、○○商店という名前の入った中古車をそのまま輸入して乗り回している。道路には信号がなく、あるのは時々横断用の信号があるくらいだが、ロシア人は平気な顔をして車をすり抜けていた。街の看板は、すべてロシア語で、英語を話せないのか、話さないのか、まだ日本語で言ったほうが通じるくらいであった。お土産屋や市場でも日本語で話しかけるロシア人が多く、日本人に対する好感度は高いように感じられた。ショッピングセンターでは、商品がかなり充実しており、物価はそれほど高くないようで、コカコーラ500ミリリットルが日本円に換算すると120円ぐらいで販売しており、安いように感じた。

 途中少し雨も降ったが、天候にも恵まれ、6月20日に予定通り帰国した。


ハバロフスク(※1)
ロシアの最も美しい川アムール川(中国名:黒竜江)に沿って開けた人口約58万人の極東政治経済の中心都市。1649年に帝政ロシアの探検家ハバロフに因んでハバロフスクと名付けられ、緑豊かで古風なレンガ造りの建物が立ち並ぶヨーロッパ風の落ち着いた街。最近は看板が増え派手な装飾が目立つが、林に囲まれた街並みは住み心地が良さそうである。気候は典型的な大陸性の寒帯気候で寒暖の差が大きい。当日の気温は30度以上もあり、街行く人は半袖、日本より暑い。時差は夏季+2時間で、5:00〜22:00まで太陽が出ていた。日本の企業も多く駐在するなどビジネスの面でも日本との関係は深い。

イルクーツク(※2)
シベリアの文化・工業の中心地で、ハバロフスクと並ぶ人口約58万人の都市。アンガラ川を背景に飾るこの街はバイカル湖観光への拠点である。「シベリアの巴里」と呼ばれ、煉瓦造りの建物が重厚さを見せており、街中を歩いているとヨーロッパそのもの。美術館、博物館、協会と見るところもたくさんあるが、色白で端整な顔立ちの美男美女が多いのが印象的であった。気温はハバロフスクよりも涼しく、朝夕は上着があったほうがよい。時差は夏季±0時間。日本とのかかわりも古く、「金沢通り」という名前の通りや、江戸時代の漂流民 大黒屋光太夫ら一行が、苦難の末に帰国する話などある。



ハバロフスク日本センター
イルクーツク油・脂肪コンビナート イルクーツク油・脂肪コンビナート
建築材料のスーパー Sirca社木材工場



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