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 平成22年11月21日(日)〜25日(木)参加者11名で、ベトナム・ダナン市を訪問した。


 近年ベトナムは、中国に代わる安価な労働力供給拠点としてではなく、その消費市場の成長性が注目を浴びている。
 そうした中、平成22年度国際ビジネス研究会の視察会として、首都ハノイに続く開発都市であり、ベトナム中部における経済・文化等の中心地である「ダナン市」を訪問した。

 まずベトナム商工会議所ダナン支部を訪問し、事務局長との意見交換を行った。
 両市の概要紹介後、ダナン支部組織についての説明を受け、当支部はベトナム中部(13圏)を管理しており、JETRO、JICAとの繋がりも深く、2年前には各組織より日本人が1名ずつ派遣されたとのことである。またJETROにおいては、現在作成中のダナン市の「観光マスタープラン」にも大きく関わっている。
 世界各国から注目を浴びているベトナムであるが、特に日本企業の進出が増えており、ベトナム中部では現在55社、投資金額の累計額は2億7,000万ドルで、50%はダナンであるとのこと。また、ダナンは「東西経済回廊」(※長さ1,450q、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナムの4カ国を通る道路)の最終点にあり、インフラ整備の面では国際空港、国際港、鉄道等も発展しており充実している。物価・家賃も安く、ハノイ・ホーチミンに比べ環境汚染も少ないため、ベトナム国内でも住みやすい地域である。反面デメリットもあり、ホーチミンに比べ物品量が少ないため、ダナンからホーチミン経由での輸送となり、時間にして2倍、コスト面では1.5倍程度かかる。ダナンの産業構造は農業が20%、他80%(工業・商業含む)の2区分となっており、今後の発展傾向としては2020年まではサービス業が第一優先で、主に金融、病院、教育に力を入れているとのこと。
ベトナム商工会議所ダナン支部

 次に訪れたダナン国際港では、副社長より港の概要について説明を受けた。この港は日本のODAを利用しインフラ整備・設備投資を行っており、桟橋が5本とクレーンが2基、水深は12m(将来的には14mにする予定)で4万トン級の船が接岸できるとのこと。またコンテナのロジスティックソフトも導入している。現在シンガポール、台湾、香港への直行便は運航しているが、日本へは香港経由での輸送となっている。近年の日本企業の進出・物品量の増加により、日本への直行便が実現できるよう努力しているとのこと。


ダナン国際港

 ダナン国際港を後にし、現地の海産物加工会社を訪れ、副社長より説明を受けた。こちらの会社では加工工場を3ケ所に保有しており、年間の売上高が2,000万ドル、今後は3,000万ドル近くを見込んでいるとのこと。輸出先は日本40%、アメリカ20%、EU20%、その他20%で、主としてエビの加工品が70%を占めており、イカその他加工品が30%である。内イカの加工品については、100%日本へ輸出しているとのこと。加工工場については衛生上の問題等もあり見学ができなかった。

 次にVINASHIN鉄工所を訪れ、会社概要等の説明を受けた。こちらの鉄工所では、屋根鉄板、街頭ライト、工作機械、食品加工機械等の部品生産をされており、加工材料は日本、韓国、中国からの輸入品であるとのこと。また、造船のサポート等も行っている。2005年からは日本企業との取引も行っており、日本の技術力を高く評価されていた。
海産物加工会社 VINASHIN鉄工所

 最後に現地の中学校、Luong The Vinh中学校を訪れた。今回の視察会はダナン現地企業の視察が主目的であったが、この学校へは平成20年12月に国立病院機構福山医療センターより、閉校した付属看護学校の備品(机等)を贈呈した経緯もあり訪問した。贈呈した備品は主にパソコン教室に使用されていた。この学校では国際交流に力を入れており、アジアに留まらず世界各国との交流を深めていきたいとのことで、特に日本の教育については先進国であるので良い点を吸収したいとのことであった。日本についての教育は地理・歴史程度で経済については実施されていない。英語は小学校3年から教育してるとのことで、視察会メンバーと英語を通じて会話をしていた。
Luong The Vinh中学校


 今回の訪問は、ベトナム・ダナンの近年の継続的な経済成長を肌で感じることができたほか、中学校訪問などを通じでダナンの文化・教育にも触れることもでき、昨年訪問したハノイに次ぐビジネスチャンスの場としての考え方、およびベトナムとの国際交流を深めるという意味では、有意義な視察会となった。



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