- ビジネスマガジンBreak
インタビュー
Interview美しさは、全体の調和から。食事から施術までを同じ考え方で届ける、福山のトータルビューティーサロン「ファシオール」宇田みおさん
取締役 宇田 みお(うだ みお)
Release: 2026.11.05
Update : 2026.11.05
鍼灸、エステ、美容室、オーガニックカフェ、スタジオなど、美容・健康・食を通してトータルビューティーを提案。福山のほか、神戸とパリにも店舗を構える。
美容・健康
令和8年度
福山市の緑町公園の目の前に本店を構える「ファシオール」。エステや鍼灸、オーガニックヘアサロン、カフェ、スタジオなどをひとつの建物に集めた、美容と健康の総合サロンです。
ファシオールが掲げるのは、肌の外側だけでなく、体の内側や心のバランスまで含めて美しさを考えること。オーガニックのカフェで出す食事から、エステや鍼灸の施術まで、そのすべてが同じ考え方のもとにあります。

創業者である母の背中を見て育ち、鍼灸師として美容鍼やエステを組み合わせた施術を手がける宇田みおさん。1992年創業のファシオールは2026年に35期目を迎え、創業者である母から次の世代へ、少しずつ経営の役割が引き継がれています。
「2代目だね」と言われ続けた子ども時代、投げ出したかった大学時代、そして妹さん、義理の弟さんとともに向き合う世代交代。宇田さんが大切にしている「寄り添う」という仕事に迫ります。
この記事でわかること
- 福山のトータルビューティーサロン「ファシオール」が、美容と健康をひとつの場所で提案している理由
- 鍼灸師の宇田みおさんが、エステと鍼を組み合わせた施術にたどり着くまで
- 創業35期目を迎え、家族3人で取り組む世代交代と、これからの「美しさ」の伝え方
インタビュー動画
文字だけでは伝えきれない宇田さんの話しぶりや表情を、動画でも紹介します。
取材の一部を短くまとめました。記事とあわせてご覧ください。
関連リンク

不調は、どこかでつながっている
――ファシオールの事業について教えてください。
美容と健康の総合サロンになるんですけど、1階はオーガニックの雑貨やオリジナルのコスメブランドの販売と、ヨガやピラティス、バレエなどのスタジオ、2階はアヴェダのヘアサロンとオーガニックのカフェ、私の鍼灸も2階にあります。3階がエステのメインのフロアで、フェイシャルやボディの施術、スチームサウナもあります。

男性のお客様との出会いも、施術の幅を広げるきっかけになっています。
――いま、特に力を入れていることは?
私自身も40代になって、同級生の夫からも「シワが気になってきた」「体の疲れが今までと違う」という話を聞くようになって。いろんなところで知り合う方からも体調のご相談をいただく中で、「もしよろしかったら」とお声がけしたことから、男性の方が来てくださることがすごく増えてるんです。
お顔の施術をしていく中で「実はランニングの時に足に不調があって」と伺って、「じゃあ次は体のメンテナンスで鍼をしますか」と。美容鍼も体の鍼も、両方増えてます。
ファシオールは昔から「技術のファシオール」と言ってきたくらい、マッサージに力を入れているんです。私も10年以上やってきて、マッサージが大好きで。体の不調がどうつながっているのかを考えるのが、自分の得意なところでもあるので、それを生かして鍼と融合した施術をしています。
「2代目だね」と言われて
――小さい頃から、会社を継ぐと決めていたんですか?
私が小学校1年生の時に、母が宝町に1号店を出したんです。その頃から「商売をしているな」と思いながら育ちました。中学に入ると、土日のどちらかは必ず「手伝いに来い」と言われて、大学ぐらいまでほぼ強制的に行かなきゃいけなかったんですよ。
中高生なので施術に入ることはないんですけど、お客様にお茶をお出ししたり、母から「娘なんです」と紹介されてご挨拶したり。そのたびに「あ、2代目だね」と言われてきて。「そういうことなのかな」と、どこかで意識していました。
――ほかに、やりたいことはなかったんですか?
中学生の時にダンスをしていて、本当はそっちに行きたかったんですよ。大学の志望を決める時も、とりあえず受けてみて「落ちたらダンスに行け」ということで。でも、AO入試だったので落ちないんですけど(笑)。
「今やめたら、何も残らない」
――なぜ、鍼灸の道を選んだのですか?
母はエステティシャンなんですけど、私には国家資格も取ってほしかったみたいで。「この子には鍼灸師はどうかね」という母からの提案もあって、オープンキャンパスに行って、そこで初めて「そういうのもあるんだ」と知ったんです。
周りの友達は、親が鍼灸師だったり、スポーツで体を痛めた時に鍼灸でお世話になったりという子がほとんどで、私みたいに何も知らない状態で行った子は少なかったですね。
大学での日々は、想像以上に厳しいものでした。
――大学時代は、どんな時期でしたか?
とにかく勉強が大変で。学校に行くのも友達と遊ぶのも大好きで、高校までは本当に謳歌していたのに、急にお勉強しなきゃいけないところに入ったもので。「全然『華の女子大生』じゃないじゃん」っていう(笑)。
本当に投げ出したくて、「もう無理、帰りたい」というところまで来ていた時期がありました。
でも、「今ここでやめたら何も残らない」と、最後まで私を信じて、ここまで続けさせてくれたのは、今思うと母なんです。結構喧嘩しますけど、今でも感謝してます。ただ優しく休ませるのではなく、叱咤激励しながら寄り添ってくれる両親だったから、自分で乗り越えるしかなかった。本当に周りに支えられて今があるなと思います。
宇田さんは、エステと鍼灸を組み合わせるという自分なりの施術の形を見つけていきました。
投げ出したかった大学時代の経験も、いまの宇田さんの仕事観につながっています。
話したいけど、話せない人のために
福山に戻り、会社に入った宇田さん。現在は、妊活中の方からの相談にも向き合いながら、鍼灸を通じて一人ひとりに寄り添っています。
――施術を通じて、お客様とどのように向き合っていきたいですか?
私は根は陽キャなんですけど(笑)、明るくしていても、人には言えない悩みを抱えている方って、たくさんおられると思うんですよ。
「誰かに話したいけど話せない」という方たちのために、ちょっとでも役に立つと言うとおこがましいですけど、何かできることがある、寄り添える人間にこれからもなっていきたいなと、ずっと思ってます。
10坪ほどの一室から
ファシオールの歩みは、福山市宝町の小さな店舗から始まりました。
――最初は、どんなところから始まったんですか?
1号店は宝町の、本当に10坪から15坪くらいのビルの一室からで。そこから少しずつ、向かい側に脱毛サロンを作ってみたり。
今の本店ができる前は徒歩5分くらいのところに本店を構えていて、当時はその本店と春日店、ニューキャッスル店の3店舗で展開していました。
春日店については、契約更新の時期を前に、閉店を決断しました。
――店舗を集約するという判断には、どのような考えがあったのでしょうか?
母はやっぱり自分の可愛い店舗なので「手放すのは……」と言っていましたけど、これからの時代、クオリティを上げるためには多店舗展開がいいかというと、そうでもないと思っていて。
立地やスタッフのことを考えて、私と妹と義理の弟で考えた結果、福山は本店とニューキャッスル店の2店舗に集中していこうということになりました。
宇田さんは約6年間ニューキャッスル店の店長を務め、2026年4月から本店に戻りました。現在も毎週土曜日はニューキャッスル店に立ち、鍼灸だけでなくエステやボディの施術も担当しています。
――店舗を移動して施術することもあるんですね。
私はどこにでも行きます。ニューキャッスル店は駅前なので、公共交通機関で来てくださる方が多いんです。
本店だと遠いという方もおられるので、私が移動すればいいかなと思ってます。
「3人なら、もっと強くなれる」
母が創業した会社には、宇田さんのほか、妹さんと義理の弟さんも加わっています。

――家族で経営する会社は、これからどこへ向かっていくのでしょう。
会社は今年で創業34年、35期目に入るんですけど、この春、母と二人三脚でやってきた30年来のスタッフが年齢もあって退職して、世代交代がじわじわ始まってきています。
その一方で、一番若い子だと19歳とか、自分の娘かというくらいの年齢の子が入ってきてくれていて。
1代目って、やっぱりすごいカリスマ経営者なんですよね。母が1人でここまでしてきたことと同じことはできないっていうのは、もちろん分かってます。
だけど、私や妹や義理の弟、その3人が集まることで、もっと強い経営体制をつくっていけると思うんです。
ファシオールのほかにも、尾道での民泊や、義理の弟さんが継いだ美容ディーラー事業でのインターナショナル幼稚園とのコラボによる日焼け止めの販売など、新しい挑戦も始まっています。
「美しさって何なの?」を伝えていく
世代交代の先に、宇田さんが見据えているのは「どうやって選ばれるか」という問いです。
――美容の選択肢が広がる中で、ファシオールはどんな価値を伝えていきたいですか?
今は美容の選択肢が広がって、若い世代でも美容医療を身近に感じるようになっていますよね。
若い子からも美容についていろんな相談を受けるんですけど、もっと自分の美しさを大切にしてほしいなと思うこともあります。
美しさの定義が今までと変わってきていて、それが若年化してくると、「じゃあ私たちができることって、『美しさって何なの?』という定義を言っていくことかな」と思うんです。
美容の方法はいろいろありますけど、日々の体のケアも大切だと思うんです。
今日も明日も、昨日の体も自分だし。そのメンテナンスや日頃のケアをアドバイスできるのが、エステティシャンや鍼灸師の仕事なんじゃないかなと。
私たちにできることは、目の前のお客様に寄り添うことだと思うので。ホスピタリティを持って、しっかりと密着した施術を、もっともっと考えていかないといけないなと思ってます。
福山から、神戸、パリへ
ファシオールは福山の本店とニューキャッスル店に加え、神戸とパリにも店舗を展開しています。
――神戸やパリの店舗と、福山はどうつながっているんですか?
2027年は私もパリ店に1か月ほど勤務する予定なんですけど、パリのお客様が日本に来られる時に、神戸店や福山の本店に来てくださる方もいらっしゃるんです。
「ファシオールの本店があるなら行ってみたい」と言われる方もいて。
ご結婚や転勤で福山から関西方面に行かれる方には「神戸にファシオールがありますよ」とお伝えできますし、ヨーロッパ旅行の時にパリ店に寄ってくださる方もいます。
入口は、カフェでもいい
本店には、エステや鍼灸のほか、カフェやヨガ・ピラティス・バレエなどのスタジオ、カルチャースクールもあります。

――美容の施術以外にも、さまざまな接点がありますね。
やっぱり、どこかで誰かと接点があるんですよね。
エステはしたことがなくても「カフェには行ったことがある」という方が多くて、そこから「鍼に行ってみようかな」「エステに行ってみようかな」と来てくださる方が、ここ最近増えてます。
外から見ると敷居が高いと思われがちなんですけど、価格帯もスタッフも気取っているわけではないので、1回来ていただけたら良さが伝わるかなと思います。
ここぞという時に
宇田さんは、令和8年5月に福山YEGへ入会しました。
――YEGの居心地はどうですか?
まだ頻繁に参加できる状況ではないので手探り状態なんですけど、先輩たちによくしていただいて、楽しく活動していきたいなと思ってます。
――男性の方には、どんな場面でファシオールを利用してほしいですか?
写真撮影や人前に立つ機会の前に来られる方もおられますよ。
ヘアセットやメイクもできるので、写真撮影や人前で登壇する前に来ていただけたら。
男性はマッサージやジムに行かれても、美容鍼ってあまりなじみがないと思うんです。でも、お肌の手入れは必要ですし、そこを磨くのが私たちの出番かなと。
人を育て、伝え方を変える
――経営上の課題はありますか?
一番はやっぱり人材の確保ですね。
若い世代をしっかり育成して、定着させていくこと。世代交代する中でギャップが生じないよう、今の若い子たちに寄り添った教え方や環境に変えていくことが一番の課題だと思います。
今年からスタッフ向けのマニュアルを動画にしたり、お客様への情報提供を紙のDMからLINEに移し始めたりしています。
こだわりが多い分、伝える情報量がすごくて、小さな文字でぎっしり書いていたものを最低限にして、LINEでの配信にチャレンジしました。
時代の変化にお客様やスタッフを置いてきぼりにせず、両立しながら変えていく。それがこれからの挑戦です。
取材を終えて
「2代目だね」と言われて育ち、本当はダンスの道に進みたかった宇田さんは、母のすすめで鍼灸の道を選び、投げ出したくなるほどの大学時代を乗り越えました。
いま宇田さんは、エステと鍼を組み合わせた施術で、一人ひとりの不調のつながりを探しています。そして、誰かに話したいけれど話せない悩みを抱える人に、寄り添える存在でありたいと考えています。
母と同じことはできない。だからこそ、3人で。
「美しさって何なの?」という問いに、目の前のお客様と向き合いながら答えを重ねていく。
取材の最後に「余計なことばかり言っちゃって」と笑った宇田さん。その一つひとつの言葉に、人と向き合う仕事への誠実さがにじんでいました。
ファシオールについて、よくある質問
来店前に知っておきたい、店舗の基本情報をまとめました。
ファシオールはどんなお店ですか?
ファシオールは、広島県福山市に本店を構える美容と健康の総合サロンです。本店にはエステ、鍼灸、ヘアサロン、カフェ、セレクトショップ、ヨガ・ピラティス・バレエなどのスタジオなどがあります。福山には本店とニューキャッスル店があり、神戸とパリにも店舗を展開しています。
ファシオールでは美容鍼を受けられますか?
ファシオールでは、鍼灸師の宇田みおさんが美容鍼や体の鍼を手がけています。エステと鍼灸を組み合わせ、一人ひとりの体の状態や悩みに向き合う施術を行っています。施術可能な店舗や予約方法については、公式サイトでご確認ください。
男性でも利用できますか?
男性も利用できますが、施術・サービスごとの利用条件は店舗にご確認ください。取材では、美容鍼や体の鍼を受けに来る男性のお客様が増えていると話していました。写真撮影や人前に立つ前のヘアセットやメイクにも対応しています。
宇田みおさんはどんな人ですか?
ファシオールの運営に携わる株式会社ペイジブルの取締役で、鍼灸師です。エステと鍼を組み合わせた施術を手がけています。福山商工会議所青年部(福山YEG)に令和8年5月に入会し、組織活性化委員会に所属しています。
掲載者情報
宇田 みお(うだ みお)
株式会社ペイジブル 取締役/鍼灸師
(ファシオールの運営に携わる)
福山商工会議所青年部
組織活性化委員会
令和8年5月入会
ファシオール本店
〒720-0802 広島県福山市松浜町3-7-42
TEL:084-927-1848
公式サイト Instagram(@facior_japan)
あわせて読みたい
この記事を書いた人
会員ネットワーク委員会
取材・編集:会員ネットワーク委員会
福山YEGメンバーの人柄や価値観を、インタビューを通じて発信しています。



Google マップで見る
公式サイト
Instagram
YouTube(ファシオール)
電話 084-927-1848(本店)











