令和5年度基本方針

「Breakthrough」

「Breakthrough」
〜次代へ繋ぐ挑戦の始まり〜

会長 杉原 広昭

〜はじめに〜

 今も尚停滞が続く日本経済。新型コロナウィルスの影響による経済への大打撃に加え、急激な円安による物価高など、私達を取り巻く環境は日を追うごとに厳しさを増しているように思います。それに加え、リモートワークなどの働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)、SDGsの推進といった新しい取組も始まり、まさに「ポストコロナ」という新しい時代の始まりを感じずにはいられません。そんな歴史的転換点に立っている我々青年経済人に対し「今、何が出来、何に取り組むべきなのか?」という問いを与えられているようにも感じます。

「現状打破」これからの新しい時代を生き抜くためにはこれまで通りのやり方だけではなく、新しい一歩を踏み出す必要があります。令和2年度と3年度、福山YEGは新型コロナウィルスの影響でまともな活動が行えず、ひたすら耐える2年間でした。昨年度は「原点回帰」という旗印のもと福山YEGの原点に帰り「親睦と研鑽」を中心に活動を行い、福山YEGの活力を取り戻しました。そして今年度は未来に向けた新しい一歩を踏み出し、福山YEGと全ての会員メンバーのさらなる発展の為に新しい取組に挑戦しながら、現状を打破していく一年間にしていきたいと思います。

 200名を超える地域でも最大の青年経済団体となった福山YEG。これまでの諸先輩方のご尽力によってここまで大きく成長を続け、令和9年度には福山YEGで初めて中国ブロック大会という大きな大会を主管するようにもなりました。これまで先輩方が築き上げられた功績に敬意を払い、そしてこれから先の福山YEGの未来を見据えた変革を行い次代へ繋いでいくことが、私の使命であると思います。

これまでの活動の先に今があり、これからの活動の先に未来がある。普遍的なものは変えず、新しい時代に合った形を探り、今よりもっと素晴らしい福山YEGにしていくためにみんなで知恵を出し、挑戦しながらBreakthroughを起こしていきましょう!

【熱意】熱意をもって積極的にYEG活動へ参加しよう

〜基盤強化とブランド力の強化と発信〜
多種多様な業種が集まる福山YEG。自身の成長に繋がる出会い、新しい気付きや刺激、ビジネスの最新情報など福山YEGは宝の山だと思います。そんなスケールメリットを活かすには積極的な行動が必要です。ただ入会しているだけではその恩恵を得ることは難しく、実際にその場に自ら足を運び、自ら求めていく姿勢が必要不可欠ではないでしょうか。定期的に開催される例会はメンバーが一同に揃うYEG活動の根幹です。一人でも多くのメンバーに参加していただくため、丁寧な例会運営を行うことはもちろん、出席率向上のための取組にも力を入れて取り組んで参ります。また対内的な情報発信はもちろん、対外的な広報活動もこれまで以上に力を入れ、ウェブサイトからの発信に加え、SNSも活用したクロスメディア広報で福山YEGの魅力や情報を発信して参りたいと思います。

〜多くの仲間との出会いを求めて〜
 YEGのネットワークは福山YEGの中だけではなく、広島県内9単会、備後圏域6単会、中国ブロック46単会、日本全国417単会、約3万3千人という大きなネットワークを持っています。単会内だけでは気づかないことも外に出れば新しい情報や多くの気づきを得られることが出来ます。広島県連の交流事業、今年度は山口県柳井市にて開催される中国ブロック大会、そして石川県小松市にて開催される全国大会。このような事業に沢山の福山YEGメンバーで参加することによって、単会内での交流が深まることはもちろん、違う地域で活動するYEGの仲間達と出会うことで得られる体験も貴重な経験のひとつとなります。  「百聞は一見にしかず」という言葉の通り、積極的に行動し、自らの目で見て体験することは経営者としての資質を向上させ、企業の成長に繋がっていきます。そんな成長の場に一人でも多くのメンバーに参加していただけるよう創意工夫を凝らした渉外事業を行って参りたいと思います。

【親睦】親睦により信頼関係を築き強い絆でつながろう

〜信頼関係の先に〜
 福山YEGの真髄であります「親睦と研鑽」。会員メンバーがお互いのことを知り、理解しながら一緒に事業を構築していくプロセスに於いて、この「親睦」というキーワードは大変重要な要素となっています。メンバー間の交流が盛んになり、多くの笑顔が生まれたことで福山YEGもここまで多くの会員数になったことは間違いない事実だと思います。そういった多くの笑顔の先に信頼関係が生まれ、そこで生まれた絆の先にビジネスチャンスが待っていると思います。年3回開催されます親睦事業は委員会メンバー以外のメンバーとも親睦を図ることが出来る大変重要な事業となっており、普段よりお世話になっている親会や事務局の皆様、そしてOB・OGの先輩方とも親睦を図る大切な時間でもありますので、毎回工夫を凝らした設営のもと多くの笑顔をお届け出来るよう進めて参ります。

〜他を知り己を知る〜
 今年度も福山YEGを中心に府中YEG・竹原YEG・三原YEG・笠岡YEG・井原YEGとの備後圏域連携事業を継続します。備後圏域の中心地である福山YEGがリーダーシップを取り、圏域のYEGと連携をすることで新しい親睦の場や、ビジネスチャンスも多く生まれます。このように他地区のYEGとの繋がりを作ることが出来るネットワーク力やリーダーシップは福山YEGの強みの一つだと思います。これから更に関係を強化していきながら備後圏域の活性化に貢献していけるよう事業を展開して参ります。また、姉妹都市である岡崎YEGを中心とした他地区YEGとの連携事業も行い、お互いの絆を更に強化し、新たな親睦からビジネスチャンスへと繋げることが出来ればと思っています。連携事業を通じて他YEGを知ることにより福山YEGの良さにも気付かされることも多くあり、それも連携事業の醍醐味のひとつだと思いますので一人でも多くのメンバーに参加してもらえるような事業を行って参りたいと思います。

【研鑽】自己研鑽により自社業を発展させ、地域と共に成長しよう

〜自社業の発展に向けて〜
 「自ら成長したい」という思いと行動は経営者の資質を向上させます。「社長の器以上に会社は成長しない」ということをよく言われますが、日々の勉強や情報収集など、自身の成長のために自ら積極的に取り組むことが大切なことだと思います。研鑽を積み重ね継続することで得られる知識や経験は自分自身の根幹となり力となっていきます。そんな研鑽の場として様々な研修事業を展開し共に学び、共に成長する機会を創出して参ります。そして単に聞くだけの研修ではなくこれからの時代にマッチした、福山YEGメンバーが参加したいと思ってもらえるような新しい研修事業の構築にも挑戦していきたいと思います。

〜共に学び共に出かけよう〜
 日本国内には魅力的な企業が多数存在しています。規模や業種はそれぞれ違うと思いますが、最先端の製品を作っている企業や、面白い取組をしている企業など、普段関わることがない県外の企業に出向き、感じたことや得られた知識を自社の経営に活かしてもらうことが出来るような研鑽の場を提供させていただきます。また、県外の企業に出向く道中での親睦も視察研修事業の醍醐味の一つでもあります。親睦と研鑽を両方同時に行える貴重な事業でもありますので魅力的な訪問先企業の選定など福山YEGメンバーの為になるような視察研修事業を企画運営して参ります。また、近隣企業の視察研修も実施し身近な企業の取組など福山YEGメンバーと共に学んで行きたいと思います。

【発展】会員企業の相互発展に繋がるビジネスの輪を広げよう

〜経営に活かせる繋がりを求めて〜
 80名からスタートした福山YEGも200名を超える大きな青年経済団体へと成長しました。多くのメンバーがいるということはそれだけ多くの業種の経営者が集まっているということになります。誰がどのような仕事をしていて、何が得意なのだろう?意外とメンバーの仕事について詳しく知らないことが多いのではないでしょうか。メンバー間のビジネスでの繋がりがもっと拡がっていくことで、多くのメンバーが福山YEGのメリットを最大限に活かし、お互いのビジネスを活性化することが出来ればもっと素晴らしい経済団体へと成長することが出来ると思います。その為には会員間ネットワークを強化し、メンバーそれぞれの事業内容を多くのメンバーに展開し、そして、委員会の垣根を超えたビジネスでの繋がりを活性化させる新しい事業を展開して参ります。また、会員増強も継続して行い、多くの新たなメンバーを迎え入れることで、新しい息吹を吹き込んで行きたいと思います。

〜次代に向けた新しい挑戦〜
 中国ブロック46単会には約3500名のYEGメンバーが所属しています。そのメンバーが一同に集う中国ブロック大会を令和9年度に福山YEGが主管として福山の地で開催をすることが決定しており、そのための準備を始めていかなければなりません。このような大きな大会を主管したことがないので全てが手探りの状態からのスタートとなりますが、これから未来に向けた第一歩を踏み出して行きたいと思います。ブロック大会を主管することが容易いことでは無いことは安易に想像することが出来ます。多くの労力や時間を費やしながら準備をしていかないと大会を成功に導くことは難しく、また多くのメンバーが力を合わせて運営していくことが絶対条件となるくらい大変なものになると思います。しかし、その運営を通して出来る絆は他では得ることの出来ない強いものになると信じています。全員が一つの目標に向けて力を合わせ、知恵を出し工夫を凝らし、素晴らしい大会に育て上げていく。その後に見える景色はこれまでと違ったものになると思います。数年後の未来のため、時間をかけてしっかりと準備をし、大会成功に向けて歩んで行きたいと思います。

〜未来を担う子供たち〜
 近い将来、生まれ育ったこの街で起業する若者が増え、福山が今よりも活気のある素晴らしい街へと成長していく。ジュニアエコノミーカレッジを通じてビジネスの楽しさを知り、ビジネスに興味を持ってもらうことが未来の地域経済の活性化に繋がっていくと思います。自分たちで商品を考え、会社の目標達成の為に活動していくという経営の難しさや楽しさに触れることで、大人になったら自分も経営者になりたいという思いを持ってくれる子供たちが一人でも多く出てきてほしいと思います。そして、ジュニアエコノミーカレッジでは小学生の取組む姿勢に私達も心を動かされる瞬間があります。今までやったことがないことや難しいことに挑戦をしている姿はとても頼もしく、失敗を恐れない勇気や行動は我々も見習わないといけないと思わされます。ジュニアエコノミーカレッジの事業を通じて私達大人も子どもたちと一緒に成長が出来る。そんな素晴らしいジュニアエコノミーカレッジを今年度も継続して行って参りたいと思います。

【挑戦】多様な価値観を認め、刺激し合い、創意工夫で挑戦を続けよう

〜新たな挑戦〜
 昨年度、集大成として終了したあかり祭り。これまで地域活性化の為、数年に渡り福山市の冬に彩りを添えてきました。今年度は趣向を変え、福山YEG冬まつり(仮称)を開催します。地域の地域活性化のために我々青年経済人が出来ることは何か。地域の人たちが福山YEGに期待していることは何なのかということ考えながら事業を構築していく必要があります。決して単なる街おこしの祭りでは無く、地域経済発展の為に繋がる創意工夫の詰まった新しい形を模索しながらの事業となりますが、新しいことへ果敢に挑戦する福山YEGらしさを活かしメンバー一致団結して生み出して行きたいと思います。

 また、地域経済を支える多くの人との対話の機会も設け、福山YEGと街との繋がりをより強固なものと出来るような新しい事業を構築いて参りたいと思います。

〜地域経済の発展の為に〜
商工会議所法 第九条 

商工会議所はその目的を達成するため、左に掲げる事業の全部又は一部を行うものとする。

一 商工会議所としての意見を公表し、これを国会、行政庁等に具申し、又は建議すること。

 

政策提言について商工会議所法にこのように記載されており、商工会議所活動の根幹となっています。福山YEGではこれまで政策提言は行っていませんでしたが今年度から新しく委員会を設置し福山市への政策提言書提出に向けた取組に挑戦します。私達は地域の青年経済人の代表として福山YEGに所属していますので、多くの地元中小企業の生の声を集約しながら、その声を届けることで地域経済の発展に繋がるような事業を構築していきたいと思います。

〜終わりに〜

Breakthrough

「VUCA」という言葉に代表されるように、これからの時代は今以上に不確実性が高く、将来の予想が困難な状況になっていくと言われています。こんな時代に必要なことが新しい事に挑戦し現状を打破し突破していく力、まさに「Breakthrough」だと思います。

 新しい挑戦には失敗は付き物です。ですが私は福山YEGには[失敗]という言葉は無いと思っています。全て成功する事などある訳もなく、成功しない事の方が多いかもしれません。ですがそれは失敗ではなく次の新しい挑戦に向けた準備です。上手くいかなかった事例を沢山積み重ねることですこしずつ成功に近づき、そして、その積み重ねの重さこそが挑戦に対する成果の大きさに繋がっていくのだと思います。

 失敗を恐れず、新しい時代の幕開けを楽しみながらメンバー全員で挑戦し、次代に繋がるようなBreakthroughを起こしていきましょう!福山YEGの明るい未来のために!