「少女たちの羅針盤」映画製作の現場から【後編】TOP > 「少女たちの羅針盤」映画製作の現場から【前編】TOP> 第2話

【前 編】
 第1回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」で優秀賞を受賞した水生大海さんの小説「少女たちの羅針盤」の映画化が決まり、昨年(2010年)6月末から7月末にかけて、福山市内全域でロケが敢行されました。
 その折、福山商工会議所から地元支援スタッフとして参加した 職員・片岡 達樹 が経験した、感動と笑い、そしてちょっと大変だった48日間の物語を映画公開まで毎週お届けします。
文責:片岡 達樹)
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【第2話】
窮地に追い込まれた物品探し
update:2011.02.14
 Oさんから送られたFAXの中に、ハンディカラオケと警察官の自転車がありました。

 「簡単なことだよーん」と安易に構えていたのですが、ありません。見つかりません。カラオケのリース会社さん、家電屋さん、カラオケ屋さん、知り合いに問い合わせても、どこにもありません。リサイクルショップさんに行っても見つかりません。ついに、窮地に追い込まれてしまいました。

 人間というものは、窮地に追い込まれた時とんでもない行動に出るもので、たまたま目の前にいた人に、「持っていないだろうな」と思いながらも勇気を出して...「ハンディカラオケ、持ってる?」と尋ねたところ「うーーん」と言っていましたが、翌日家から持ってきてくれました。

 
とにかく、なんでもかんでも、誰にでも...言ってみるものですねぇ。

 次の窮地は、警察官の自転車。この映画の舞台は福山ですから、広島県警から貸していただこうと、安易に警察へ電話をしたところ、広島県警では自転車は使っておらず、現在ではバイクとのこと。自転車で移動している警察官を見かけますが、全部私物の自転車とのこと。
 監督がこだわるのは、白色の重荷用...正に、「こち亀・両津勘吉号」です。自転車屋さん、牛乳屋さん、新聞屋さん...探せど、探せど、見つかりません。自転車屋さんによると、今では製造も中止されているとのこと。
 しかし、どこかにあるもので、どこにあるかを知っている人がいるもので。
 見つかりました!!!

 福山市北部にあるK幼稚園さんでは、園児たちに紙芝居を見せるために、古い重荷用自転車を2台持っているとのこと。しかも、広島県内を探して、やっと見つけた2台の自転車とのことで、これは貴重品です。
 K幼稚園さんは、映画で使用するということから大喜び。「警察官の自転車らしく白で塗装していただいても構いません。そのまま返してください。」とのことでしたが、やはりお借りしたものは現状復帰でお返しするのが礼儀。白のビニールテープで装飾し、ロケ終了後、復旧しました。

 この映画の舞台は福山市。地元の本当の姿を撮影して欲しいと思っていましたが、イメージとは恐ろしいもので、ロケ現場となったJR福山駅北口前の噴水広場で自転車を見たとき、映画やドラマなどの劇中では、やはり警察官は白の重荷用自転車でなければサマにならないと感じました。

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次回のお話は、2月17日UP予定
【少女たちの羅針盤】
 「羅針盤」という名で注目を集め始めた女子高校生4人の演劇ユニットで起きた事件。事件の真相が4年後、明らかになる。

【関連サイト】

 ・少女たちの羅針盤公式サイト

 ・ばらのまち福山ミステリー文学新人賞
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