「少女たちの羅針盤」映画製作の現場から【後編】TOP > 「少女たちの羅針盤」映画製作の現場から【前編】TOP > 第9話

【前 編】
 第1回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」で優秀賞を受賞した水生大海さんの小説「少女たちの羅針盤」の映画化が決まり、昨年(2010年)6月末から7月末にかけて、福山市内全域でロケが敢行されました。
 その折、福山商工会議所から地元支援スタッフとして参加した 職員・片岡 達樹 が経験した、感動と笑い、そしてちょっと大変だった48日間の物語を映画公開まで毎週お届けします。
文責:片岡 達樹)
お話のMENU
■第9話■
大雨、そして川そうじ
update:2011.03.10
  7月13日の夜、大雨警報が発令され、翌日の朝、大雨・洪水警報が発表されました。

 それに伴い、福山市当局では14日のお昼前に災害警戒本部を設置。さぁ、ロケも大変なことになりました。

 14日は、松永方面でのロケ。ロケ現場の前を流れる川は増水し、道に逆流している所もあり、東京からのスタッフは、身の危険も感じているみたいでした。

 7月21日は、芦田川河川敷でのロケです。しかし、先日の大雨で河川敷が水で洗われ、流れてきたゴミが散乱しています。また、川の中にも、ペットボトルや発泡スチロールなどが浮かんでいます。折角、綺麗な福山を撮影しているのに。

 ロケの前日、スタッフで川掃除。草に引っ掛かったゴミや河原に散乱したゴミを取り...また、悪臭もひどく、吐き気をもよおす者まで。

 川に浮いたゴミは、河川管理事務所(だったと思いますが)へ電話を入れ、清掃を依頼。しかも、美術担当の地元支援スタッフのKさんが、突然に当たり前のごとくの依頼です。映画ロケって、作品をつくるためには無礼なこと何でも要求するのですから、おとなしいKさんも短期間で図太い神経になったものです。

 そして、ロケ当日は午前6時の集合。川の中に浮いたゴミは消えていました。清掃をしてくださったのかと思い、心の中で感謝したところ、夜の間、北から南へ吹く風に流されて河口に集まっているとのこと。撮影の間、逆向きの風に流されて河口に集まったゴミが少しだけ流れて来ましたが、綺麗な芦田川でした。

 雲ひとつない晴天。河川敷ですから日影がありません。日除けテントは出してありますが、ジリジリ照りつける太陽で、この日のロケは本当に暑かったです。

 お昼、ロケ弁を食べていると土手の道から白い一台の車が下りてきます。
見ると新聞記者のIさん。そしてもう一人、映画館支配人のYさん。

 いつもの取材かと思いきや、車のハッチを開けて荷物を下ろすではないですか。そして完成したのは...「かき氷屋さん」。
 かき氷の差し入れでした。

 嬉しかった〜!本当に嬉しかったです。突然舞い降りた女神様のお心づかいで、暑さで折れかかっていた心に「喝」が入り、午後からの仕事に向かう気力が湧いてきました。

 やっぱ、人の心は人の心に支えられているのです。


-------------------------------------------------------
次回のお話 ■第10話■ 美味しい仕事だけれども
3月14日UP予定

【少女たちの羅針盤】
 「羅針盤」という名で注目を集め始めた女子高校生4人の演劇ユニットで起きた事件。事件の真相が4年後、明らかになる。

【関連サイト】

 ・少女たちの羅針盤公式サイト

 ・ばらのまち福山ミステリー文学新人賞
  【お問合せ】
   福山商工会議所 TEL:084-921-2345
    cci@fukuyama.or.jp

Copyright(C) Fukuyama Chamber of Commerce and Industry. All Rights Reserved.
当サイトの文章・写真等の無断転載・転用は、禁止します。