「少女たちの羅針盤」映画製作の現場から【後編】TOP > 「少女たちの羅針盤」映画製作の現場から【前編】TOP> 第16話

【前 編】
 第1回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」で優秀賞を受賞した水生大海さんの小説「少女たちの羅針盤」の映画化が決まり、昨年(2010年)6月末から7月末にかけて、福山市内全域でロケが敢行されました。
 その折、福山商工会議所から地元支援スタッフとして参加した 職員・片岡 達樹 が経験した、感動と笑い、そしてちょっと大変だった48日間の物語を映画公開まで毎週お届けします。
文責:片岡 達樹)
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■第16話■
「音」との戦い
update:2011.04.05
  映画のロケ、録音部は周囲の音を嫌います。夏のこの時期ですから、セミの鳴き声が響いています。

 或るロケ現場、スタッフの一人がおもちゃの機関銃を持っています。

 トラックの中に積んであることは知っていましたので、劇中で使う小道具かとも思いましたが美術トラックではありませんから、劇中で使用する小道具でもありません。ならば、休憩時間、息抜きの遊び道具かと思っていたのですが、セミが鳴き始めると、木の下から上へ木が傷つかないように機関銃を「パパパパパッ」と軽く打ち始めます。おもちゃの機関銃とて使い方によっては役立つ道具。遊び道具ではなく、セミを追い払うという重要な任務を負った、大切な道具だったのです。



 また、音ではこんなこともありました。

 夜になれば、セミは鳴きませんが、カエルが「ケロケロ」と鳴き始め、かなり響きます。

 カエルが鳴き始めると、鳴いている方向を懐中電灯で照らしますが、暗いのでどこで鳴いているのか、場所が特定できません。吠える犬を家の中に入れていただいたことも...

 そして、こんなこともありました。

 夜、市内でのロケ。

 近くの屋上ビアガーデンから、盛り上がった声が飛んできます。それが録音に影響するので、静かにしていただくよう電話をしました。

 今から思えば無茶苦茶なお願いなのですが、なんと、「お客様の歓声は止められないが、マイクでの場内アナウンスは止めましょう」とのこと。
 無茶なお願いでしたが、お聞きいれくださったビアガーデン様には、感謝します。

 
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次回のお話 ■第17話■ 「理事長の言葉に感激・時代を越えて残る」は、
4月7日UP予定


【少女たちの羅針盤】
 「羅針盤」という名で注目を集め始めた女子高校生4人の演劇ユニットで起きた事件。事件の真相が4年後、明らかになる。

【関連サイト】

 ・少女たちの羅針盤公式サイト

 ・ばらのまち福山ミステリー文学新人賞
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